区分マンション投資について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
メルマガ登録
区分マンション投資について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
ホーム › 失敗・リスク対策 › マンションワンルーム投資をおすすめしない5つの理由と失敗を避ける方法
失敗・リスク対策

マンションワンルーム投資をおすすめしない5つの理由と失敗を避ける方法

梶田 誠一 / 更新:2026-06-24
マンションワンルーム投資をおすすめしない5つの理由と失敗を避ける方法
ワンルームマンション投資、正直に言うと「やめておけ」という声が多くて不安ですよね。私は仲介の現場で8年、自分でも都内に区分マンションを2戸持っています。結論から言うと、家賃から経費とローンを引いた後に手元に残るお金で考えれば、安易に始めるべきではありません。ただし条件が合えば選択肢になります。
  • ワンルームマンション投資とは、ワンルームの区分マンションを買い、家賃収入と将来の売却益を狙う投資です。
  • 利益は家賃収入から経費とローン返済を引いた残りで決まり、見た目の利回りほど手元には残りません。
  • 空室になれば家賃収入はゼロになり、ローンと管理費は払い続ける必要があります。
  • 賃貸用ワンルームは原則として住宅ローン控除の対象外で、節税効果は限定的です。
  • 余剰資金があり、立地と収支を自分で計算できる人にだけ向いている投資です。

マンション ワンルーム投資の結論

ワンルームマンション投資は絶対するな!販売会社の巧妙な手口とは…?
ワンルームマンション投資は絶対するな!販売会社の巧妙な手口とは…?

私の結論は「手元のお金が毎月マイナスになるなら買わない」、これに尽きます。

営業の見せる利回りは、管理費や固定資産税、空室を引く前の数字であることが多い。実際に残るお金で判断しないと、後から後悔します。

判断基準はシンプルです。家賃収入から管理費・修繕積立金・固定資産税・ローン返済をすべて引いて、毎月プラスかどうか。マイナスなら、その物件は私なら見送ります。

1.ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンション投資とは、単身者向けのワンルーム区分マンションを購入し、入居者からの家賃収入と将来の売却益を狙う不動産投資です。

1.ワンルームマンション投資とは

一棟ものに比べて価格が低く、数百万円台から始められる物件もあるため、不動産投資の入口として選ばれやすい。

区分マンションの管理は、区分所有法と管理規約に基づいて行われます。国土交通省も、マンションはこの法律と規約に沿って管理されると案内しています。オーナーになると、毎月の管理費や修繕積立金の負担がここに関わってきます。

1.1.利益を得る仕組み

利益は「家賃収入(インカムゲイン)」と「売却益(キャピタルゲイン)」の2つから生まれます。

不動産所得は、賃貸収入(総収入金額)から必要経費を引いて計算します。国税庁は不動産所得を、不動産などの貸付けによる所得とし、総収入から必要経費を差し引いて求めると案内しています。

ここが大事なところで、家賃が満額入ってきても、そこから経費を引いた残りが本当の利益です。表面利回りの数字をそのまま信じてはいけません。

1.2.意外と運営費用がかかるワンルームマンション投資

運送業年収690万男性がワンルーム投資で悲劇「サブリース解約できない」
運送業年収690万男性がワンルーム投資で悲劇「サブリース解約できない」

ワンルーム投資では、家賃収入の2割前後が運営費用で消えることも珍しくありません。

国税庁は、不動産所得の必要経費として、租税公課、損害保険料、修繕費、減価償却費、借入金の利子などを挙げています。これらは利益を計算するときに差し引けますが、裏を返せば実際に出ていくお金でもあります。

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課されます。買った翌年から毎年かかる固定費です。

ワンルーム投資でかかる主な運営費用
国税庁の必要経費の区分と、区分マンション運営で実際に発生する費目を整理した。
費目内容発生のタイミング
管理費・修繕積立金建物の共用部の管理・将来の修繕に充てる毎月
固定資産税・都市計画税1月1日時点の所有者に課税毎年
賃貸管理委託費入居者対応・集金などの代行費用毎月(家賃の数%)
修繕費・原状回復費退去時の補修やリフォーム退去のたび
ローン利息借入金の利子(経費算入可)毎月

都市計画税は、市街化区域内の土地・家屋に課されます。都心の物件ならほぼ対象になると考えてください。総務省がその範囲を説明しています。

2.ワンルームマンション投資をおすすめしない5つの理由

私が安易な購入を勧めない理由は、空室・家賃保証・赤字・保険・節税の5点に集約されます。

2.ワンルームマンション投資をおすすめしない5つの理由

順に見ていきます。どれも現場でよく相談を受けてきた、つまずきやすいポイントです。

2.1.空室で家賃収入ゼロになりやすい

ワンルームは1部屋なので、空室になれば家賃収入は一気にゼロになります。

一棟アパートなら1部屋空いても他の部屋でカバーできますが、区分1戸だと0か100です。それでも管理費・修繕積立金・固定資産税・ローン返済は止まりません。

空室の月は「収入ゼロ・支出は満額」になります。半年空けば、その間の支払いをすべて自分の貯金から出すことになります。

2.2.家賃保証の内容が想定と違う

祐天寺駅築31年2580万円のワンルームマンションは買うべき?【ビラ広告】
祐天寺駅築31年2580万円のワンルームマンションは買うべき?【ビラ広告】

サブリース(家賃保証)は「ずっと同じ家賃が保証される」わけではありません。

多くの契約で、数年ごとに保証賃料が見直されます。当初の保証額が将来も続くと思い込むと、収支計画が崩れる。契約書の見直し条項は必ず自分の目で確認してください。

2.3.収支が赤字の重大さに気づきにくい

毎月の手出しが小さいと、赤字を「節税だから」と正当化してしまい危険です。

2.3.収支が赤字の重大さに気づきにくい

建物部分は減価償却の対象で、法定耐用年数に基づいて経費にできます。国税庁の耐用年数表が構造ごとの年数を定めています。

ただし減価償却は、いつまでも続きません。償却期間が終われば帳簿上の経費が減り、税金が増えて、手出しの赤字がそのまま顔を出します。ここを見落とす人が本当に多い。

2.4.保険代わりとしては不十分

「団信があるから生命保険代わりになる」という売り文句は、鵜呑みにしないでください。

団体信用生命保険でローンが消えても、残るのは空室リスクと毎年の固定資産税を抱えた1戸の区分マンションです。家族が現金を必要とするとき、すぐに希望価格で売れる保証はありません。

保障が欲しいなら、掛け捨ての生命保険のほうが目的に合うと私は考えます。投資と保険は分けて考えるべきです。

2.5.節税効果は小さい

第31-1回 不動産投資成功法 ワンルームマンション投資に手を出すな【お金の勉強 初級編 】
第31-1回 不動産投資成功法 ワンルームマンション投資に手を出すな【お金の勉強 初級編 】

賃貸用ワンルームの節税効果は、多くの会社員にとって限定的です。

まず、賃貸に回しているワンルームは原則として住宅ローン控除の対象外です。控除の対象は自己の居住用家屋に限られると、国税庁が要件を示しています。

節税の中心は、減価償却で作った赤字を給与所得とぶつける手法です。でもこれは「赤字が出ている」ことが前提。お金を減らして税金を少し減らすだけなら、本末転倒です。

3.ワンルームマンション投資で失敗した実例3選

私が相談を受けてきた中で、典型的な失敗は「手出し増大」「利益が薄すぎる」「借入過多で動けない」の3つです。

3.ワンルームマンション投資で失敗した実例3選

実名は伏せますが、現場で見てきたケースとして紹介します。

ワンルーム投資の失敗ケース
仲介の現場で実際に相談を受けたケースをもとに、状況を整理したもの。
ケース状況つまずいた原因
Hさん購入後に月々十数万円の手出しが発生空室と費用を甘く見て、収支がマイナスだった
Kさん投資額の割に利益が少なすぎて不安に表面利回りで判断し、経費控除後の手残りを見ていなかった
Oさん借入が膨らみ身動きが取れない複数戸をローンで買い増し、追加融資も売却もできなくなった

3人に共通するのは、買う前に「手元に残るお金」を冷静に計算していなかった点です。逆に言えば、ここさえ詰めれば防げた失敗でもあります。

なお売却を考えるなら、長期譲渡所得(所有5年超)の税率は所得税15%・住民税5%、短期(5年以下)は所得税30%・住民税9%が基本です。短期で売ると税負担が重く、出口でつまずきやすい。

よくある質問

検索でよく一緒に調べられる質問に、現場の視点でまとめて答えます。

よくある質問

マンション ワンルーム投資とは?
単身者向けのワンルーム区分マンションを買い、家賃収入と将来の売却益を狙う不動産投資です。不動産所得は、家賃などの総収入から管理費・固定資産税・減価償却費・ローン利子などの必要経費を引いて計算します(国税庁)。
マンション ワンルーム投資の費用は?
購入時の物件価格や不動産取得税のほか、毎月の管理費・修繕積立金・賃貸管理委託費、毎年の固定資産税・都市計画税がかかります。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税され、都市計画税は市街化区域内の土地・家屋が対象です(総務省)。
マンション ワンルーム投資の始め方は?
まず物件の家賃収入からすべての経費とローン返済を引いて、毎月の手残りを自分で計算するところから始めてください。賃貸用ワンルームは原則として住宅ローン控除の対象外なので、節税前提では考えないことをおすすめします。

最後に率直な一言を。ワンルーム投資は、誰かに勧められて始めるものではありません。自分で収支を計算して、毎月プラスになる物件だけを選ぶ。それができないなら、今は手を出さないのが正解だと私は思います。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

梶田 誠一

元大手不動産仲介会社・売買部門勤務(8年) ・ 区分マンション投資オーナー(2戸保有)

不動産会社での売買仲介経験をもとに、区分マンション投資の実態を数字ベースで伝えることにこだわっている。自身も都内で区分マンションを保有するオーナーとして、一次情報を大切にした記事を書く。

メルマガ登録

梶田 誠一
梶田 誠一
不動産会社での売買仲介経験をもとに、区分マンション投資の実態を数字ベースで伝えることにこだわっている。自身も都内で区分マンションを保有するオーナーとして、一次情報を大切にした記事を

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。